11/19にF.E.A.R.から「ラストレクイエム~ネオゴシックRPG~」(以下ラスレク)が発売されました。
買って読んだレビューはこちらから。
今回は実際にGMをして、シナリオ「月夜の晩餐」をプレイして感じたことを正直にお伝えしようと思います。
正直な感想としては、
- 雰囲気はシリアス
- 判定は少し難しめだけど、シナリオ中に理解できる
- 神業はカッコイイけど、使いどころが・・・
- クライマックス戦闘はGM的に難しい
- キャラクターの表現性は高い
- システムは親切
といったところでしょうか。
詳細は本文で解説していこうと思います。
この記事はあくまで「まみむめも」の感想になります。人によっては受け取り方が異なりますのでその点はご了承ください。
これを機に興味を持っていただけたら、買って遊んでもらえればと思います。
ラストレクイエムとは
ラストレクイエム
定価:4,180円
著者:久保田 悠羅/F.E.A.R.
出版:KADOKAWA
発売日:2021/11/19
判型:B5
ページ数:280
ISBN:9784040742649
KADOKAWAの書籍サイト
FEAR公式サイト
世界観などはこちらで紹介しています。
ジャンルとしては現代アクションホラーTRPG。
現代を舞台に、人間と妖魔が協力して、人知れずに邪悪たる敵を倒すシステムです。
雰囲気はシリアス
ギャグとシリアスのどちらかと言えばシリアスだと私は言い切ります。
PC:レイヴンのバディの在り方、敵:レムレスの背景を考えるとシリアス寄りで話を進めやすいかなと思います。
トレーラーで提示すればギャグも十分に可能、悲しい存在のレムレスではなく欲望にまみれた馬鹿なレムレスを準備すれば実現可能ですし、きっと面白いと思います。
私はブレイド・オブ・アルカナ(以下ブレカナ)を知っており、ブレカナの敵である殺戮者がラスレクにおけるレムレスと全く同じ立ち位置だと感じました。
なので、ブレカナを踏襲したシリアスな雰囲気を演出したいと思っているんだと思います。
また、神業の存在がドラマチックなカッコよさ(トーキョーN◎VA(以下N◎VA)のような)を演出してくれます。
ブレカナ×N◎VA=シリアスでカッコイイ、映画のようなストーリー
この結論は読んだ時から感じており、遊んでも揺らいではいません。
判定は少し難しめ
ラスレクはダイスを使用せず、トランプを使用します。
トランプを使用するメリットはいくつかありますが、
- 出す札が自分で決めれるため、結果を自分である程度操作できる。
これが一番のメリットです。
手札と相談して、「ここは成功すべき場所」「ここは他の人に譲ろう」がやりやすいのは良いことです。
ルール側でもはじめて遊ぶ人がいる場合は、手札を公開して相談できるようにするとセッションがスムーズに進むと言ってくれてるのも嬉しいところでした。
機会があれば「月夜の晩餐のプレイレポート」を読んでみて下さい。PCが不利になるんじゃないか?とかそういった疑問の答えが書いてあります。GMやる上で大切なことも書いてあります。
その分、「ダイスを振って足す・参照する」よりかは判定毎に考えることが多い気がします。これはデメリット。
慣れればデメリットが選択肢があるというメリットに変わります。
GMをして、PLはこの手の判定が初めての方でしたが、クライマックス戦闘では自分で考えて判定をし、バディにカードを渡す相談もしっかりできていました。
なので、難しすぎることはなかったのかと思います。
手札の補充方法も変化していて、求めるカードが揃いやすくできるチャンスを増やしています。
昔あった、無駄な判定をして手札を回すという面倒な風習はいらなくなってます。
神業はカッコいいけど・・・使い道が・・・
このシステムでも神業は見せ場になっています。
ルール的にもN◎VAのようにルールの上位に位置付けられており、その場に合わせた対応がとりやすくなっています。
攻撃神業・防御神業はしっかり決まってますのでそこは注意点。
戦闘系2種、進行補助1種と戦闘系神業が少なめ、進行補助神業多めというのは少し悩みどころです。
PL4名だと進行補助神業4個。すべての使いどころを考えるのはGMとしては難しいところです。エンディングで使い道を考えてあげるのもいいですが・・・とGMとしてはデメリットかなと思います。
戦闘系神業はレムレスの神業が中身まで公開される可能性があり(シナリオによります)、そのためにクライマックス戦闘が大惨事になる可能性があります。
これはラスレクのバランス問題としてGMに常につきまとう問題かなと思いました。
- レムレスの神業の数は固定(悪いことでしたがコッソリ増減できません)
- 何があるかバレている可能性が高く、手加減できない(攻撃神業・防御神業を使わずに終われない)
- クライマックスに入った瞬間、神業を撃ち合って終わってしまう
ここら辺がGMとして悩み続けるところです。
特に「クライマックスに入って神業撃って終了!!」は避けたいところです。
クライマックス戦闘のバランスが難しい
クライマックス戦闘のバランス調整が難しそうです。
「月夜の晩餐」のボスですが、ああそんなバランスなのか・・・という感じでした。
クライマックス戦闘の流れとしては、1R目でボスの手札を減らす、2R目か3R目に勝負を決めて防御神業を削って、攻撃神業を撃ち始める。
といった流れなのかなと感じました。
その為に、ボスは手札を消費できる手段を用意した方が良さそうです。
他エネミーを配置するのもいい手段だと思います。こちらは攻撃神業も気軽に撃てますからね。
まだ掴めていないですが、クライマックス戦闘のコツは早めにどこかで掴んでおきたいです。
キャラクターの表現性は高い
キャラクターの表現性は高く感じました。
人間:ネオと妖魔:ゴシックのみで作るのもあり、ネオゴシックで混ざりものを作っても良し。
現代モノでそういう表現ができるシステムはそこまで多くはない気がします。
人間と妖魔で仲が悪いわけでもないので、キャラ作成後の関係性も色々なパターンが思い浮かびます。仲が悪い演出も仲良くなる布石ならば全然問題ないですしね(要相談)
私が最初に思い浮かんだのは、ベルセルク・イージス・ディテクティブで「普通の人間より、少しは鼻が利くからな」という演出です!!
ステータス的に青少年ではなく大人がやりやすいものが多いのも私は好印象です。
クールでカッコイイ大人なキャラクターが多く集まる渋めのセッションもやってみたいです。
システムは親切
F.E.A.R.のシステムの良いところを集めてみた印象があります。
ブレカナやN◎VAで面倒だったタロットの表現は撤廃されています。
雰囲気出しには良かったのですが、個人的にはこれが物凄く面倒でした。
他のシステムと同様シーン制を取り入れており、登場判定が不要になっています。
出たかったのに運が悪くて出れないといったジレンマが無くなったのは非常に大きい。
倒す敵は決まっているのも目的が明確になっていて良い点です。
倒していいのか悩ましい「可哀そうな悪役」についてもちゃんと記述があり、そういうシナリオでも問題なく遊べそうです。
バディシステムがあり、これが個人的にはいい味を出していてシステム的にも美味しいです。
ハンドアウト・オープニングの省略、PLへのフォロー、何よりバディとしての演出を表わすカードのやり取り。
ソロはソロで利点もあるのでどっちも美味しいシステムになっています。
総論
ラストレクイエムは良いシステムなんで遊んでみることをオススメします。
特にブレイド・オブ・アルカナやトーキョーN◎VAが好きな人にはオススメできます。
私個人がオススメできるのは
- ブレイド・オブ・アルカナ、トーキョーN◎VAが好きな人
- シリアスで大人な雰囲気で遊びたい人
- 神業でカッコイイ演出をしてみたい人
- バディもので戦闘と演出をしてみたい人
こういった人です。
シナリオもF.E.A.R.からスーパーシナリオサポートが出るので嬉しいところですね。
機会があれば、是非遊んでみて下さい。
最後に、ラストレクイエムのトレーラー最後の締めの言葉で終わります。
欲深き死者に永遠の終焉を
©FarEast Amusement Research Co., Ltd.
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