ひとときTRPG
TRPGはじめよう

TRPG自作シナリオの作り方・コツ、教えます!!

GMをする時に直面する一つの問題、シナリオ。

みなさんはどうやってシナリオの準備をしていますか?

大きく分けると3つに分類できます。

今回はその中でもGMをする楽しみの一つ、自作シナリオの作成を私なりの一つの回答として解説していきます。

前提として、私がGMをする時に重視するのは全員で楽しむことです。

前提が違う方にはこの作り方は参考にはなるかもですが、楽しいシナリオを作れる保証はありません。

私がGMをする時に重視するのは全員で楽しむこと

ここから先は、TRPGでよく使う単語を多く取り扱います。

分からない単語とかが出たら、こちらで確認してみて下さい。

はじめてTRPGをする時によく聞く単語集はじめてTRPGをする時によく聞く単語集をまとめました。あれってどういう意味なのってものを解説しています。...

シナリオを作る順番

作る順番を最初に示します。

  1. シナリオで一番やりたいシーンを決める。
  2. シナリオの目的を決める。
  3. シナリオの筋道(起承転結)を決める。
  4. NPCとPCの関係性を図示する。
  5. PCの合流、目的への意欲を決める。
  6. シナリオの詳細を決める
  7. 当日までにPCのやりそうなこと・言いそうなことを妄想して、対応を考える

システムの決定をシナリオ作成時にすることもあります。

  • やりたいことがホラーだったら、クトゥルフやインセイン
  • NPCとの関係性の変化だったら、ダブルクロス3rdやトーキョーN◎VA

といった感じです。

ここから、一つずつ例示と共にシナリオを作っていきましょう。

シナリオで一番やりたいシーンを決める

GMである私がやりたいシーンを決めます。

アニメや小説、ドラマ、映画を見ている時に「こういうシチュエーションやりたいな」や、「あ、トリック思いついた」がやりたいシーンとしての目安になります。

ここではヒロインがヒーローに向かって言った一言を例にします。

  • ヒロインがヒーローに向かって、「おかえり」と言う

ここではもう少しだけ深堀りしてより状況を鮮明にします。

  • ヒロインがヒーローに向かって、「おかえり、帰って来てくれてありがとう」とお礼を言う。

シナリオの目的を決める

やりたいシーンに向かって、シナリオの目的を決めます。

例ですと、

ヒロイン

おかえり、帰って来てくれてありがとう

と言っていることから、ヒーローをどこかに送り出して帰って来たシーンになります。

ヒロインはヒーローを送り出します。どこかと言われればクライマックス(戦闘)シーンにですね。

送り出すからには、戦う理由を知ってることにしましょう。

自分ではできない、狂ってしまった兄を倒すために戦ってくれるってことにします。

兄は自分の下を去ってしまって、ヒーローもいなくなるのでは?と不安になっているが戻ってきて喜んでいる。

こんな感じにしましょう。

  • 自分では倒せない狂った兄を倒してもらうために、ヒロインがヒーローを送り出す。
  • ヒロインが戻ってきたヒーローに向かって、「おかえり、帰って来てくれてありがとう」とお礼を言う。

シナリオの筋道(起承転結)を決める

シナリオの大きな構成をここで決定します。

ストーリーの構成の起承転結ですね。色々な説明があるかと思いますがここでは、

  • 起:スタート地点の状況
  • 承:事件発生、何が変わる?
  • 転:ヤマ場
  • 結:物語の結末

とします。

私は作る順番は特に決めてはいないですが、転>起・結>承と決めていることが多いです。

とりあえずは、起>承>転>結で考えてみます。

起:スタート地点の状況

使用するシステムに合わせて立ち位置が変わると思いますが、それに合わせます。

  • ヒーローは異能者(常人よりもなにかがすごい)
  • ヒロインは一般人
  • 兄は異能者であり敵になる(システムに合わせると良い)
ヒロイン

私は一般人で、あなたの秘密は知らないよ

といった感じでしょうか。

承:事件発生、何が変わる?

兄が敵になるための事件を設定します。

ヒロインが事件のきっかけになると、「俺たちがやらなきゃ」という当事者性を使います。

  • ヒロインが3年前に家を出た兄を見つける。
  • 兄を追いかけてみたが兄はヒロインに襲い掛かり、それをヒーローが助ける。
  • 異能の力に怯えるヒロイン、助けてくれたヒーローしか頼ることはできない。
  • ヒロインからの依頼
ヒロイン

お願い、兄を止めてあげて

転:ヤマ場

TRPGだとヤマ場には戦闘だったり儀式だったりと大きなイベントをよく持ってきます。

ここでは戦闘として設定しましょう。

その中で、物語に深くかかわる内容を決めていきます。

  • 兄の目的は?・・・肉親(ヒロイン)の血を手に入れて、更なる力を手に入れる。
  • 兄の戦闘力は?・・・PCの強さにおおよそ合わせる、初期作成PCならサンプルシナリオのボスデータ、戦闘状況を持ってくる。
  • 兄を救うには?・・・兄は既に狂っている。ヒロインの名を呼び求めるだけで、途中の障害をすべて排除しようとする
  • 兄と戦うためには?・・・ヒロインに覚悟を決めてもらい、囮になってもらう。

結:物語の結末

大きく2つのパターンに分かれます。勝った時と負けた時です。

とはいえ、負けた時は「君たちは負けて、ヒロインも亡くなったよ」だけ考えておけばOK。

一先ず、よほど変なことをしたりしないならば負ける要素はないように設定します。

  • ラスト戦闘はPCが負けない用なバランスに設定

それよりも勝った時のイベントを盛り込みましょう。

先に決めたヤマ場はこうでしたね。

  • 自分では倒せない狂った兄を倒してもらうために、ヒロインがヒーローを送り出す。
  • ヒロインが戻ってきたヒーローに向かって、「おかえり、帰って来てくれてありがとう」とお礼を言う。
  • ヒロインは囮になって、兄が登場します。
  • 変わり果てた兄の姿を見て、ヒロインは涙し頼みます。
ヒロイン

お願い、兄を止めてあげて

  • 兄を倒して戻ってきて、次はこの一言
ヒロイン

おかえり、帰って来てくれてありがとう

  • この言葉には意味を持たせたいので深く考えます。
  • 兄を止めてくれてありがとう。
  • あなたが無事に帰って来てくれてうれしい、兄みたいに消えないで帰って来てくれてありがとう。

NPCとPCの関係性を図示する

シナリオの軸や流れは大きく決まりました。

現在、ヒーロー、ヒロイン、兄しか登場人物がいません。

さらには他のPCが設定されていないので、起承転結ができたのと合わせて、PCの関係性を決めます。

私は図示して誰と誰に関係があるのかを分かるようにしています。

PC間の関係、重要NPCに一人一つは結び付けるように気を付けます。

この時に「こういう関係は胸熱」「ヒロイン取り合うのも面白いな」とかを入れていきます。

私はここら辺までを紙の上に書き出します。セッション時に確認することが多いですからね。

PCの合流、目的への意欲を決める

関係性を決めたら一気にシナリオが固まってきます。

それぞれの目的、合流のタイミングをここで決めます。

目的を決めることで、シナリオで果たすべき役目を決めます。

ここがブレるとPCの立ち位置が行方不明になるので分かりやすく決めます。

  • PC1:ヒロインを安心させる。
  • PC2:幼馴染全員を殺させない。
  • PC3:元パートナー(兄)を止めてやる。
  • PC4:仕事をスマートに達成する。

次に合流のタイミングを決めます。

人間関係を決めておけば、ロールプレイのチャンスにもなります。

  • 各自情報を手に入れた段階で、協力できる人物がいないか探すようにする。
  • シナリオでは「合流シーン」と設定しておくと良い。
  • 「PC間で合流して情報交換するシーンにしましょう」と言えばスムーズです。

シナリオの詳細を決める

ここまでで、殆どのやるべきことは終わっています。

主にシステムに合わせた情報収集の方法を入れていきましょう。

私は情報を出すときは1つの情報につき2,3種類の方法を設定します。

それなら失敗しても別のタイミングでだすことができます。

重要な情報は1種類の方法にして、誰が得られるものなのかを決めておき、それぞれの見せ場にします。

他、NPCの設定など細かい設定を決めていきます。

オンラインセッションの場合、立ち絵などはここで準備することになります。

私はイラストが描けないので、雰囲気の伝わる画像(キャラ絵)を探してブックマークしています。

  • 1つの情報につき、2・3種類の方法を決めておく(方法はPL任せ)。
  • 重要な情報は誰が持ってくるものなのか決めておき、見せ場にする。
  • NPCの設定や特徴を決めておく。
  • イラストが描けないので、雰囲気の伝わる画像を決めてブックマークしておく。
ヒロイン

私のプロフィールもここで決まるよ

当日までにPCのやりそうなこと・言いそうなことを妄想して、対応を考える

最後の項目です。

ここまで読んでくれたあなたにシナリオを作る一番のコツをお伝えします。

PCのやりそうな事、言いそうな事をまずは妄想しましょう。

「自分がPCだったらこうする」「こういう選択肢もあるな」といった感じです。

それに対して、GMとしての回答やNPCの対応を決めておきます。

例えばですが、関係図を思い出してください。

幼馴染枠の男女比をどうするか妄想してみましょうか。

ヒロインは女性と決まってるので、男2:女1、女2:男1、全員女・・・この3パターンですね。(性別行方不明とかオカマは考えません)この3パターンでどういう人間関係が起きそうですか?

2:1のパターンだったら三角関係がすぐに思い浮かびます。

それをPLが提案してきた時のことを考えたりします。

ギミックを入れて、どちらかがヒロインと恋仲になる・・・というシナリオにするのもいいかもしれません。

兄とPC3の関係性も妄想が捗ります。

豹変する前の兄とのシーンを入れてみる。

変わった原因がPC3にある・・・提案させてみると面白いかも。

戦闘前に一瞬だけPC3に向かって「止めてくれ」と言ってみる。

こんな感じで妄想していきます。

ここで妄想しておくと何がいいのか?

当日、PLの提案を少しでも考えておけば、「これを使えばいける」と提案にのっかることができます。

GMをする時に「アドリブが難しい」という意見もありますが、時間の許す限りこうして考えておけば、全く考えていない時よりも対応力が上がっているはずです。

シナリオを作ったら遊んでみよう

シナリオを作成したら、実際に遊んでみましょう。

不安なところはPLに正直に言って、一緒に考えてもいいんです。

PLもあなたも一緒に遊ぶ参加者です。

一緒に協力して楽しいセッションをしましょう。

良くある疑問

ヒロイン

シナリオを作る時に良くある疑問の回答をあげておくよ

システムはどうやって(何を基準に)選ぶの?

私はシステムはやりたい事に合わせて選びます。

今回の例でしたら、ダブルクロス3rdやトーキョーN◎VAを候補にします。

1つのシステムで色んなシナリオを考えるのもいい方法ですが、このやり方は雰囲気を合わせやすいです。

どれだけの量、準備(書き出し)するの?

私はオフラインセッションをメインに遊んでいます。

A4用紙4枚ぐらいが普段の準備量です。

  1. 今回予告・ハンドアウトなどの公開情報。全員に配る。
  2. NPCの設定と関係図、シナリオの大きな流れ、やりたい事
  3. シナリオの流れと情報項目
  4. 戦闘データ

これに合わせて、スマホにキャライメージをブックマークしてます。

細かいデータは前日にできることもあります。

前日に「あ、いいシナリオ思い浮かんだ」と作り始めることもあります。

いつ、ネタが思い浮かぶの?

テレビや漫画、ニュースを見ている時に「あ、このシーンやってみたい」「この単語、面白いな」というのがきっかけになってます。

アニメなんかは1本分をパク・・・インスパイアされて作ることもあります。

どれぐらい考えてるの?

シナリオ作成は早くて1日、長いと1週間程度。

妄想して対応考えたり、いじったりを当日まで繰り返します。

考えてる時間はお風呂やトイレ、暇な仕事中、夜寝る前が多いです。

シナリオって作りこまないといけないの?

GMをする人ができるなら、作りこまなくてもいいと思います。

起承転結のおおまかなところだけ決めて、後はアドリブでやる人もいますので個人の考え方になります。

私はある程度考えて想定外があまりおきないように心がけているので、作りこむ方だと思います。

おまけ(遊んでみた後に)

ヒロイン

遊んだ後にコレをするといいよって事の紹介だよ

遊んだ後は時間を取って、今日面白かったところや楽しかったところをみんなと共有しましょう。

GMとしては「なぜああいう結果になったのか?」と聞かれた時の「実は・・・」という解説ができる機会にもなります。

遊んだ人に、こういうのがやりたかったんだと伝えて、改善案を貰うこともできます。

私はこれを感想会と言っています。

楽しかった記憶をここで再確認すると、次もきっと遊びたくなります。

悪いところ探しや悪役決めをしないように気を付けてください。

別のシナリオの場合について知りたい人は別記事を参照してください。

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