GMしている時に悩む要素の1つとして時間配分があります。
時間管理について書かれているシステムは少なく、勘やコツが必要なため、中々自分一人では解決しない問題です。
ここでは、
- いつも時間がオーバーしてしまう
- 時間通りに終わらない
- 時間配分はどうすればいいの
こういった疑問を解決できる時間管理のコツを紹介していきます。
実際にやったこと、こうすると良いよと聞いた内容を遊ぶ前にできることから順に紹介していきます。
結論だけ述べると、
- 自分がどういうタイプのGMなのか把握する
- 時間を予測して、目標時間をシナリオに記入する
- 全員が見える位置に時計を置くこと
- 残り時間をPLに伝えること
- ロールプレイの間に判定・評価を入れること
- 大技はGMから使うこと
これが今回紹介していくコツです。
詳細が知りたい方は記事を読んでみて下さい。
環境で時間管理は変わる
最初に大前提として、あなたの遊んでいる環境で時間は大きく変わってきます。
- オフラインセッション
- オンラインセッション(ボイスセッション)
- オンラインセッション(テキストセッション)
の順で時間が短くなります。
昔から、テキストセッションはオフラインセッションの3倍時間がかかると言われています。
現在はボイスセッションが主流で、判定とかのツールとしてテキストを使うのが多くなりましたので、体感1.5倍~2倍の時間がかかっている感じがします。
オフラインセッションで3時間のシナリオの場合、ボイスセッションで4-5時間、テキストセッションだと6ー9時間はかかる計算になります。
また、シナリオ中の区切り(以下シーンと書きます)が各GMによって大きく異なるところになります。
1シーンを10分程度で済ませる人もいれば、ロールプレイをガッツリして30分くらいかける人もいますし、探索・思考時間をたっぷりとって1時間かける人もいます。
初GMの人以外は、自分がどういうタイプのGMなのか把握することが時間管理の1つ目のコツになります。
- 自分がどういうタイプのGMなのか把握する
これは次のシナリオ(システム)にかかってくる内容になります。
シナリオに予定時間を記入する(予測する)
シナリオの作成・確認時に時間管理をするコツになります。
シナリオは大きく3つのタイプに分かれているものとします。
- サイコロフィクション系に多い、サイクルで区切られているシナリオ
- F.E.A.R.製に多い、シーンで区切られているシナリオ
- 探索系(新クトゥルフ神話TRPG、ソード・ワールド2.5など)に多い、区切りの少ないシナリオ
これはシステムで分かれているとも言えます。
以下の時間計算を元に、それぞれの区切りの時間を大雑把に計算して記入します。
①サイクルで区切られている
このシステムでは1サイクル(PL全員が1回ずつ行動するまで)+休憩で時間を計算します。
1サイクルはPL人数回のシーンに分かれており、1シーン毎の時間を計算します。
1シーンの時間は遊ぶPLによって変化してきます。ロールプレイが多めだったら5-10分、ロールプレイ少な目で淡々と進めるなら3-5分程度になります。
私の感覚では、PL3人なら2サイクル+休憩で1時間、PL5人なら1サイクル+休憩で1時間を目安にしています。
②シーンで区切られている
このシステムでは、殆どがオープニング・リサーチ・クライマックス・エンディングに分かれており、それぞれにシーンが幾つか入っています。
以下はPL4人、4時間程度のシナリオの例です。
- オープニング:4シーン ×5分 :約30分
- リサーチ:10シーン ×7分 :約90分
- クライマックス:1シーン ×60分 :約60分
- エンディング:4シーン ×5分 :約30分
休憩や時間オーバーを見越して時間を計算します。
PL1人で出ているシーンは短く、複数人で出ているシーンは多少長く時間を取るようにしています。
また、1つのシーンは長くても10分にとどめる様に心がけています。
理由は2つ、
- 集中力の続く時間が15分刻みだと言われている
- 待っている時間が長いと、つまらない
これらがあるため、20分に1回は出番があるようにしています。
オンラインセッションとかで待ち時間が長くてスマホゲーの周回したことある人、心当たりありませんか?
③区切りの少ないもの
これが区切るのが非常に難しく、現在流行っている新クトゥルフ神話TRPG(6版も含む)がこのタイプのシステムになっています。
シーン制を導入しているシナリオなら②と同様にすることができます。
そうでないシナリオでは、ストーリーの情報・アクションを1つの区切りとして時間管理をします。
- 依頼を受ける
- 情報を集める
- 現場を調べる
- 謎を解く
- 事件の真相を突き止める
- ■■■■■■■■■から逃げる
- エピローグ
といった感じでストーリーに区切りを入れます。
判定で終わるものならば時間短めに、推理やロールプレイが入るところは時間多めに配分をします。
それを踏まえたうえで、目標到達時間を記入していきます。
例:20時開始
- 20:00 依頼を受ける
- 20:30 情報を集める
- 21:30 現場を調べる
- 22:30 謎を解く
- 23:30 事件の真相を突き止める
- 24:00 ■■■■■■■■■から逃げる
- 24:30 エピローグ
- 25:00 終了
こういう管理をすると、予定より長くかかったから次の時間を減らすよう助言やフォローを入れようといった感じに、自然と時間管理を考えやすくなります。
時間の予測をしよう
以上、3つのパターンでそれぞれにオススメな時間管理の方法です。
- 時間を予測して、目標時間をシナリオに記入する
これだけで時間管理が容易になります。
自分に合った、時間の予測の仕方が見つかるとグッと精度が高くなりますし、余裕をもってGMをすることもできるようになります。
セッション中にできる時間管理のコツ
いくつかやり方がありますのでそれを挙げていきます。
オフラインで最初にやるべき時間管理のコツは、
見えるところに時計を置くこと
GMだけでなく、PL全員にも見えるサイズを特におすすめします。
シナリオに時間を記入したうえで、時間が見えていると
- 時間になったから、そろそろ次に行こう
- まだ余裕があるし、ロールプレイ楽しんでるみたいだからここは少し長めにしよう
といった判断が取りやすくなります。
全員に見えるようにするのにも意味があり、終了時間が18時、後1時間しかないのにクライマックス戦闘が始まってない!!
といった時に、PLが自主的に時間がないから少し演出控えめにしようかなと考えてくれるようになります。
腕時計やスマホでもいいですが、セッション中に弄ってるのを見ると気になる時もありますからね。
コンベンション会場だったら、時計が見える位置にPLに座ってもらうのも手です。
- 全員が見える位置に時計を置くこと
残り時間をPLにも伝えること
GMとしての意識づけもありますが、PL側からするとあとどれくらいシーン数があるのか戦闘があるのかというのは分かりません。
残りのシーン数や予定時間を伝えることは非常に有効です。
例えば、
- 今シナリオの半分ぐらいなので、この調子でいけば余裕をもって終われるね
- クライマックス戦闘は1時間ぐらいで終わると思うから、気合入れて戦おう
- 時間がけっこうキツキツになってきたから、そろそろ雑談控えめにして進めようか
といったやり取りをすることで、心にも余裕が生まれますし、協力できるところはPLからもしてくれるようになります。
- 残り時間をPLに伝えること
ロールプレイの間に判定・評価を入れること
これはロールプレイが極端に長いPLに対する時間管理方法です。
ロールプレイに華が咲くといつまでも時間を忘れてやってしまいがちです。
そのロールプレイがシナリオに密接にかかわることならばいいですが、その多くはストーリー進行においては時間を消費することにつながってしまいます。
その際に止める方法が実はあります。
判定・ロールプレイ評価をすることです。
- なるほど、じゃあ〇〇判定で上手く演出出来たかやってみようか
- そのロールプレイいいね、ブーケをあげよう
こういうやり取りが入ると自然とロールプレイが止まり、次のステップにつなげることができます。
- ロールプレイの間に判定・評価を入れること
1シナリオ1回の大技はGMから使うこと
神業・奇跡・加護といった1シナリオに1回しか使えない大技が多くのシステムでは採用されています。
これを何時撃ったらいいのかは悩みどころです。
その起点をGMが作ってあげることが次のコツです。
この手の大技は対抗には同等の大技が必要になります。
GMから攻撃系の大技を使用すれば、必然的にPL側の防御系の大技が使用されます。
それに合わせて、「もう撃ってもいいのか」と思ってもらえることで、PL側の攻撃系の大技も撃ちやすくなる環境になります。
- 大技はGMから使うこと
最後に
今回は時間管理のコツを紹介してきました。
最後にこれだけは伝えておきたいのですが、時間管理をちゃんとしたいなと思っている段階であなたは実は素晴らしい。
そういう意識を持っているだけでみんなのためを思っているワンランク上の素晴らしいGMになれているんです。
自信を持って楽しいGMをしてください。
完璧を目指さなくても大丈夫です。
みんなが楽しかったと思うことがGMとして大切なことですから。
それでは、良いTRPGライフを!!