3/19発売の新作システム、ストリテラ オモテとウラのRPG
発売前情報として、連日Twitter上でシナリオの情報が公開されていました。
その期間、気になったものの新作だから手を出そうか悩んだ人も多いはず。
こちらではそんなストリテラ オモテとウラのRPGの魅力を語っていきます。
私の考えるストリテラの魅力・遊び方を紹介していきます。
発売前情報を知りたい方はこちらをどうぞ
製品情報
ストリテラ オモテとウラのRPG
定価:1,980円
著者:瀧里 フユ / どらこにあん
出版:KADOKAWA
発売日:2022/3/19
判型:B6版
ページ数:320
ISBN:9784040744711
誰にだって、人には言えない秘密がある。
人には、誰にだって他人には言えない秘密があるものです。
平凡な会社員だ。
――諜報員(スパイ)である。
風紀委員長である。
――人気アイドルだ。
主人に仕えるメイドだ。
――世を忍ぶ吸血鬼だ。
そんな、表と裏を抱えた人たちが出会った時に始まる物語を一緒に作ってはみませんか?
このシステムの魅力は?
個人的には「相談」に重きを置いたシステムだと感じました。
本書を読み進めていくと、結構な頻度で「相談する」といった表現に出くわします。
私のプレイスタイル的にはどのシステムで遊んでいても相談はしているのですが、ルールブックにこれだけの頻度で書いてあるのは珍しく感じました。
ストリテラは「みんなで話し合って、楽しいお話を紡ぎましょう」というのを全面に出しており、その結論がこの「相談する」という表現なのでしょう。
- 「相談」に重きを置いたシステムで、「みんなで楽しいお話を紡ぎましょう」といった雰囲気
プレイ時間が短く終わるのも高く評価できるシステムです。
ルールブック掲載のシナリオは10本載っているのですが、どれも1~2時間と短いものばかりになっています。
当然、シナリオによっては2時間越えの大きなシナリオもできそうですが、システム的には向いてないかなと思います。短く濃厚なセッションが向いているシステムですので。
この短く遊べるのはオンラインセッションでは特に優れた特徴ですし、オフラインセッションにおいてもお手軽に遊べるのは利点です。
オフラインセッション・・・特にコンベンションでは6時間程度遊ぶ時間があったりします。
その際には、複数シナリオを遊んでみたり、配役を変えて同じシナリオを遊んでみるなどといった工夫は必要になります。(配役が変われば違うお話を遊べるのも利点です)
- 1~2時間と短く遊ぶことができる
- オンラインセッションではお手軽に短く遊べる
- オフラインセッションでは異なるシナリオを遊んだり、配役を変えて同じシナリオを遊んだりと工夫して遊べる
難しい判定などのルールが存在しないのもストリテラの特徴です。
正直なところ他システムでのルールと呼べるようなルールはほぼないに等しいです。
ダイスやトランプを使った判定は基本的にはありません。
誰かに攻撃をしかけようと思ったら、そういう描写をすればいいのです。
その際に気を付けるべきことというのはルールブックに記載があります。
これはルールというよりもTRPG全般の作法に近いかなというのが私の印象です。
- 難しい判定などのルールがない
キャラクター作成
キャラクターはオモテとウラの顔を持つキャラクターを作成します。
ウラの顔と言われると秘匿情報・秘匿ハンドアウトと言ったものを浮かべる人もいるかもしれません。
ストリテラでは、キャラクター作成段階でオモテリストとウラリストを確認して相談して決定します。
秘匿ではなく、キャラクターは知らないがプレイヤーは知っているという構造になります。
遊ぶ上でたまに問題になる、秘匿情報(秘密)をいつまでも伝えられない、教える気がないといったことは発生しないようになっています。
- オモテとウラが何なのかはプレイヤーは知っている(秘匿ではない)
シナリオの進め方
シナリオ進行は大きく以下の3に分かれています。
- オープニングチャプター
- メインチャプター
- ファイナルチャプター
オープニングチャプターでは、全員の立ち位置や今の状況を軽く説明するといった場面です。GMが状況を説明して、各キャラクターが一言二言発言する程度で終わります。
メインチャプターでは主演を決め、主演は助演を指名して遊びたいメインチャプターを決めます。メインチャプターでは5分程度で即興劇を始めます。
即興劇とはいえ、何をするかの指標はメインチャプターに書いてあります。さらにはキーワードが幾つか設定されており、それを台詞や描写で表現していくだけでお話は進んでいくようになっています。
ストリテラで一番難しいのはこの即興劇かもしれません。助演との台詞や描写の掛け合いになるのですぐ考えてすぐ行動しなければいけないと思うかもしれません。
システム上では「タイム」「カット」「テイク2」といった支援もあります。
なにより、先に述べた「みんなで相談して進めよう」の心構えをしていたら、悩んでしまっても同卓のメンバーから助けが飛んでくることでしょう。
TRPGでは上手く演技をする必要はありません。
落ち着いて自分のキャラの行動を台詞にしたり描写してみましょう。
面白い事を言う必要もありません。
あなたが感じたやりたい事が、その場面にあった演出になるはずです。
このメインチャプターでもう一つ悩ましいのがキーワードのコレクトです。
ストリテラ唯一のしっかりしたルールなのですが、発言・描写のあとに「〇〇をコレクトしました」という「コレクトの宣言」が必要になります。
まだ遊べてないので実際の感覚は分からないのですが、これが会話を遮って煩わしく感じないかが少し不安点です。
キーワードのコレクトはメインチャプターで得られるフラグポイントに関わり、フラグポイントが多いとファイナルチャプターの結末を決める(自分の目標を達成する)ことができます。
競うことについてはコラムでしっかり言及されています。
ファイナルチャプターではこれまでに得られたフラグポイントで主演が決まり、誰の目的が達成されるか決まります。
ストリテラにおいてはこのファイナルチャプターが一番面白いところだと思います。
全員参加でそれぞれが見せ場を演出し、お話を締めくくるのですから。
時間制限についてもファイナルチャプターでは全員が望むなら無視してしまえと書いてあります。
どんな人にオススメ?
まず、ここまで読んできて面白いなと思った人には当然オススメできます。
人と相談してお話を作るのが好きな人には特に向いていると思います。
最近のオンラインセッション事情でもありますが、キャラクター間の関係性をシナリオ中に作っていくのが楽しめる人には少し物足りないかもしれませんが、オススメです。
逆に、スリルのある戦闘やダンジョン探索、どうなるか分からないドキドキしたシナリオを体験したい方には向いてないかなと思います。
TRPGで遊ぶ上で問題になりそうな他人への気遣いやちょっとした悩みを解説しているので、そういったものを確かめたい人にもオススメです。
個人的に一番のオススメできる人はオフラインセッション勢でオンラインセッション初心者の人たちです。
短い時間でお試しでTRPGができるのは本当に凄いことだと思います。
是非、オンラインセッションの入口として遊んでみてください。
- 人と相談してお話を作るのが好きな人
- キャラクター間の関係性をシナリオ中に作るのが好きな人
- ロールプレイや演出とかで不安なところのある人
- オンラインセッションを初めてやるオフラインセッション勢の人
シナリオ情報
サポートページにて募集に使いやすい画像集&pdfデータがまとまってます。
シナリオ12本は以下の通りです。
- 勇者一行裏腹心中@魔王城
- 宵闇血風録
- は?恋とかしてませんし!?
- DoomShare
- ゲーマーズリベリオン
- フラジール・フレンドマギア~魔法少女のマスカレード~
- どうか、この恋をやさしく葬って
- 人狼村
- 月光怪奇調査官
- ルートレイヴンは眠らない
- 召集、わたし脳内会議!(オンライン配布)
- 魔女は赤き月の夜に(オンライン配布)
【追記】オンラインセッション向け素材集&シナリオ情報
サポートページにてココフォリア用素材集が用意されています。
ココフォリアの部屋の設定手順も書いてあり、親切設計になっています。
使用イメージ(中央の画像データは別素材集から持ってくる必要あり)
私だけかもですが、少しファイルが壊れているようです。
4/28付で治ってるみたいです。
5/26現在、素材キットとして4つ上がっています。
- ココフォリア素材キット
- ココフォリア素材キット(モバイル用)
- TRPGスタジオ素材キット
- カットイン素材
シナリオ情報については、書籍に書いてある内容がそのまま書いてあるとのことで、オンラインセッション時に確認しやすくなっています。
掲載は5/26現在5つ、
- 勇者一行裏腹心中@魔王城
- は? 恋とかしてませんし!?
- ルートイレヴンは眠らない
- 召集、わたし脳内会議!(オンライン配布)
- 魔女は赤き月の夜に(オンライン配布)
使用条件を守って、楽しく遊びましょう!!
まとめ
ストリテラは以下の特徴を持ったシステムです。
- 「相談」に重きを置いたシステムで、「みんなで楽しいお話を紡ぎましょう」といった雰囲気
- 1~2時間と短く遊ぶことができる
- 難しい判定などのルールがない
オススメする人は以下のような人です。
- 人と相談してお話を作るのが好きな人
- キャラクター間の関係性をシナリオ中に作るのが好きな人
- ロールプレイや演出とかで不安なところのある人
私個人としては、
- オフラインセッションからオンラインセッションに移行する入口
として非常に評価できるシステムだと思います。
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